クリスマスのメッセージ


神の愛の遠大な計画

                         

 「このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。『見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。』この名は、『神は我々と共におられる』という意味である。(マタイ1:22~23)

マタイ福音書は、イエスの誕生を、もっと言えばイエスの出来事すべてを、旧約聖書の預言の実現であると位置付けます。ここでマタイが引用しているのは旧約聖書イザヤ書の7:14ですが、マタイはヘブライ語で「インマヌエル」と書いたうえで、改めて「この名は『神は我々と共におられる』という意味」と訳し、説明します。それは「共におられる神」ということがマタイ福音書の大きなテーマであり、マタイにとってイエスの存在自体が、神さまがわたしたちといつも共にいて下さるしるし、という位置付けであるからでしょう。だからこそ、マタイ福音書は、復活されたイエスが弟子たちに言う次の言葉でもって、福音書全体を締めくくります。

「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(マタイ28:20)

マタイが引用したイザヤ7:14が書かれたのは、イエスの生まれる約700年前と言われています。救い主が世に到来するまでに、本当に長い間待たれていたことがわかります。しかしそれを言うなら、2000年前にイエスというお方が生まれていなければ、今のわたしたちはあり得ないし、わたしも今これを書いてはいないでしょう。イエスが生まれる前も生まれた後も、それほどまでに神の遠大な御計画の中に置かれている、と言っていいかもしれません。そしてその御計画には、神さまの明確なメッセージが置かれています。すなわちそれは「神はすべてのいのちをつくり、御自分のつくられたいのちを、いつの世にも限りなく、無条件に愛しておられる」ということです。

今年もイエスの誕生をお祝いし、喜び感謝する季節を迎えました。改めて、いつでも【共にいて下さる神】の愛を、一人でも多くの人と分かち合いたいと思います。

 

カトリック百合ヶ丘教会主任司祭 z鈴木 真 神父

 


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