ロザリオの祈り とは   

―主任司祭メッセージ 8/15―


 ロザリオの祈りは、マリアさまとともに神さまにささげる祈りですね。簡単な祈りで、どこでも いつでも
誰でも祈ることができる祈りです。一人でも ほかの人々と共にでも、心静かにマリアさまと共にイエ
ズスさまの生涯の神秘を思いめぐらしながら。
 ロザリオの祈りは、教会の中から生まれた祈りです。今の形にまとめて12世紀ごろヨーロッパに
普及したのは、聖ドミニコでした。
 実は、はるか中世の初め(6世紀)頃から、聖ベネディクトによって創立されていく僧院で、修
道士たちが一日を時間に分けてささげる聖務日課がありました。その祈りに合わせ朝 昼 夕に
鐘がなり、それに合わせて一般の人々も“アンジェラス”(お告げの祈り)という簡単な祈りをささげ
ていました。アンジェラスの祈りは、マリア様への「お告げ」の神秘を思いめぐらしてささげる祈りです。
今もパパさまがこの「アンジェラスの祈り」を行い、聖ペトロ広場に集まる巡礼者を祝福する習慣が
続けられています。
 このアンジェラスの祈り(お告げの祈り)と違ってロザリオの祈りは、いつでも、またどこでもおささげ
できる祈りです。

 もともとロザリオの祈りは、マリアさまとともにイエズスさまの神秘を思いめぐらす祈りですから、イエ
ズスさまの生涯を三つに分けて、その「玄義」(今は「神秘」と言われる)−「喜びの玄義」、「苦しみ
の玄義」、「栄えの玄義」を黙想する祈りとなっています。
 今は、聖ヨハネ パウロ二世の望みで、もう一つの神秘(玄義)が加えられ、それは「光の神秘」と
言われています。「光の神秘」は、イエズスさまの公生活を中心に黙想するものです。

 実は、皆さんがよくご存じのペトロ神父がブログを持っておられて、そこでは、神父様がロザリオの
祈り(四つの神秘)を先導して下さっていて、それに合わせてわたしたちが祈ることができるように
なっています。ぜひご利用ください。

 http://www.inori-no-sono.com/rosary/rosary.html

では、この中の「光の神秘」についてご紹介しましょう。
 第一の黙想 イエス、ヨルダン川で洗礼を受ける
(参照 マルコ1・9-11)
 第二の黙想 イエス、カナの婚礼で最初のしるしを行う
(参照 ヨハネ2・1-2)
 第三の黙想 イエス、神の国の到来を告げ、人々を回心に招く
(参照 マタイ4・17)
 第四の黙想 イエス、タボル山で栄光の姿を現す(ご変容)
(参照 ルカ9・28-30)
 第五の黙想 イエス、最後の晩餐で聖体の秘跡を制定する
(参照 マルコ14・22-24)

1.主の洗礼の出来事は、教会のカレンダーの中の「祝日」に定められ、「年間」の始まりに置か
れています。その時、「あなたはわたしの愛する子、わたしのこころにかなう者」と、天が開き天から
の声が聞こえてきます。

2.カナの婚礼の出来事も、教会が祝う定められた日があります。それは1月6日に当たる「主の
ご公現」の祭日です。この祭日は、博士たちを通して世界にメシアとしてのご自分を現わされた
ことと同時に、カナの婚宴でイエズス様が初めて弟子たちにメシアとしてのご自分を現わされた
出来事をも記念するものです。

3.イエズスさまは、人々に「神の国」が訪れたことを宣言し、公に福音を宣べ伝えられ、この福音
を信じて回心を呼びかけられる出来事を思いめぐらします。

4.イエズスさまは、ご自分の受難 死と復活を前にして、選ばれた三人の使徒にご自分の「見え
ない本当の姿」をお現わしになりました(ご変容)。この時も雲の中から声が聞こえましたが、さらに
大事なことばが加えられました。「これはわたしの愛する子、これに聞け」と。
つまりイエズスさまに“聞き従って”、その十字架の神秘を通して新しいいのちに生まれるようにと
すすめてくださる声ですね。

5. キリストさまの神秘に毎日つながり、その新しいいのちに加えられて生きるために、イエズスさま
はわたしたちにエウカリスチアの神秘(秘跡)をくださいました。それは、ご自分の体の神秘をわたし
たちに残してくださり、その神秘にわたしたちが与るために、わたしたちの「糧」としてご自分を残
された秘跡です。

 この8月はちょうど8日が聖ドミニコの記念日、また15日は聖母の被昇天の祭日です。ロザリオを
大切にして祈りたいと思います。

ではまた来週!


カトリック百合ヶ丘教会主任司祭 マリオ・ビアンキン


* 典礼用に、日本の司教団は「新共同訳」の聖書を使うように定めています。
ここに載せる聖書は、「新共同訳」の聖書です。

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