初めてご聖体を拝領する人々と ともに祝う
―主任司祭メッセージ 11/14―



   いく  

 二年ぶりにわたしたちは、初めてご聖体を拝領する人々とともに初聖体を祝うことができて、感謝と喜びで心がいっぱいです。
 洗礼を受ける大人の場合は、洗礼の秘跡、堅信の秘跡、ご聖体の秘跡を一緒にあずかることになりますが、幼児洗礼の恵みを受けた子どもたちは、体の成長に合わせて、ご聖体の秘跡を始めとして、さらにゆるしの秘跡、堅信の秘跡へとすすんでいきます。

 

 コロナのために、去年は適当な準備ができませんでしたが、今年はシスター里脇の指導のもとで三人がミサにあずかるに伴って、初めてご聖体拝領をすることになっています。
 
ご聖体拝領をとおして、初聖体の子どもたちはミサの祈りに完全に加えていただき、新しいいのちの保証を受けて一人前の信者となります。

 今日のメッセージでは、ご聖体の秘跡とわたしたち教会としてのアイデンティティについて、一緒に考えさせていただきたいと思います。
 実はわたしたちが「教会」といっても、ピンと来ないことが多すぎますね。つまり「教」は「教える」という意味ですね。けれどもどんな「教え」かがはっきりとわからないし、また「会」といっても何が示されているのかわからないと思います。
 キリスト信者のもともとの名前は、「聖なる者」と記されていることはすでにご存じと思いますが、今「教会」と言われているわたしたちのもともとの意味は何だったのでしょう?

1.教会はもともとギリシャ語でエクレジア(神さまが集めてくださる民)という意味ですが、パウロはコリントの教会に宛てた手紙で次のように引用しています。

「『わたしは彼らの間に住み、巡り歩く。
  そして、彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。』」 
と。
  
(Kコリント6・16b)  

 エクレジアは、スペイン語でイグレジア、イタリア語でキエザ、フランス語ではエグリーズ、英語はチャーチと発音することになりました。日本語で言えば「集会(神さまが集めてくださる民)」、「祝いの集い」(ヘブライ12・12)という意味です。
 こればかりか、さらにエクレジアとつながっているもう一つの意味があります。それは「呼ばれた者」つまり「神さまから呼ばれて集められた民」ということです。イスラエルの民も神さまから呼ばれて「民」となっていました。

2.けれどもイエズスさまは、“新しさに満ちた”民を集めようとして、その民を「わたしの教会」と呼ばれます。

すると、イエスはお答えになった。
「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。
あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、
わたしの天の父なのだ。
わたしも言っておく。
あなたはペトロ。
わたしはこの岩の上に
わたしの教会を建てる。
陰府の力もこれに対抗できない。」
(マタイ16・17〜18)

 これを実行するために、イエズスさまはわたしたちにミサの秘跡を残されました。

「わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、
いつもわたしの内におり、
わたしもまたいつもその人の内にいる。」
(ヨハネ6・56)

 主の「最後の晩餐」として知られている“あのとき”がミサの中にいつも新たにされ、イエズスさまは司祭をとおしていつも新たに“あの言葉”を言われます。

  主イエズスはすすんで受難に向かう前に
  パンを取り、感謝をささげ、
  割って弟子に与えて仰せになりました。
  「皆、これを取って食べなさい。
  これはあなたがたのために渡されるわたしの体。」
  
食事の終わりに同じように杯を取り、感謝をささげ、
  弟子に与えて仰せになりました。
  
「皆、これを受けて飲みなさい。
  これはわたしの血の杯、
  
あなたがたと多くの人のために流されて
  罪のゆるしとなる新しい永遠の契約の血。
  
これをわたしの記念として行いなさい。」 (第二奉献文)

 ここでイエズスさまは、ご自分のこころに燃えていた愛をわたしたちに与え、わたしたちもその愛で生きる者となっています。その愛を表す言葉は、「アガペ」と言われます。
 
初代教会では「アガペ」という言葉はエクレジアのことを表わしていました。たとえば、日本にある教会は日本の「アガペ」となるはずですね。またもう一つの言葉も使っていました。「アガペ」による民は、その結果を表す言葉として、ラテン語の「コムニオ/ Communio(キリストとの一致)」、ギリシャ語では「コイノニア」と言われていました。(参照 使2・41?42、4・32)
 実はこの「コムニオ」つまり生きている教会を表す言葉は、ご聖体拝領を表わす言葉にもなって、初聖体のご聖体拝領は、英語で言えば「ファースト コムニオ(First Communio)」といいます。「コムニオ」である教会の中で一人前に“初めてなる”という意味でしょう。“キリストさまと一つになる”、それが教会です。

 わたしたちの司教の紋章を覚えていらっしゃいますか? そこには、「コムニオ(の)コムニオヌム」と書いてあります。つまりカトリック教会(エクレジア)は、世界中にあるすべてのコムニオ(アガペ)の一致によるコムニオ、ということです。その一致を起こすものは「ミサ」です。またその一致を示す人はペトロの後継者であるパパ様ですね。

 わたしたちの司教の紋章を覚えていらっしゃいますか? そこには、「コムニオ(の)コムニオヌム」と書いてあります。
 つまりカトリック教会(エクレジア)は、世界中にあるすべてのコムニオ(アガペ)の一致によるコムニオ、ということです。
 その一致を起こすものは「ミサ」です。またその一致を示す人はペトロの後継者であるパパ様ですね。

   いく  


 
 ミサによってわたしたちは皆「神の国」となって、キリストさまがつくってくださった「民」となるのです。
 
初聖体を受けるみなさん、こころからおめでとうございます!

 では、また来週!


カトリック百合ヶ丘教会主任司祭 マリオ・ビアンキン

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* 典礼用に、日本の司教団は「新共同訳」の聖書を使うように定めています。
ここに載せる聖書は、「新共同訳」の聖書です。