主のご降誕をお喜び申し上げます
―主任司祭メッセージ 12/19―


 

 主のご降誕の お喜びを申しあげます!

 このすばらしいクリスマスの挨拶ができるのも、信仰の恵みのおかげです。イエズスさまのご誕生のとき、この神秘による喜びを味わうことができたのはマリアさまとヨセフさまだけでしたね。お二人は信仰の恵みに心を開いていたからです。

ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、
初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。
(ルカ 2・6〜7a)

 これは想像できないほどの神秘に満ちたときでした。まさしくこのとき、世界は眠っていました。聖書にはこう書いてあります。

沈黙の静けさがすべてを包み、
夜が速やかな歩みで半ばに達したとき、
あなたの全能の言葉は天の王座から、
情け容赦のないつわもののように、
この滅びの地に下った。
(知恵の書 18・14〜15)

 眠る…それは心を開いていない人々の状態です。つまり信仰の恵みで心を照らされていない状態です。
 
でもあのとき、誰もが眠っていたわけではありませんでした。ルカは羊飼いたちが夜“目覚めていた”と語ります。大きな光を見た彼らに天からの天使が現われました。

その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。
天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」
すると、突然、この天使に天の大群が加わり、神を賛美して言った。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」(ルカ 2・8〜14)

 その天使の言葉は、はじめてこの世に宣言された福音でした。天使のよい知らせに含まれている最も大事な言葉があります。それは「しるし」という言葉ですね。生まれた赤ちゃんの様子はとても平凡な出来事ですが、それを「しるし」として読み取ることが大事なのです。
 神さまはこのような出来事を通してこそわたしたちに語ってくださり、その救いを示してくださるからです。この出来事を神さまの“言葉”として読み取ることを教えてくれるのが信仰の恵みです。

こうして、羊飼いたちがそれを信じて動き出し、次のように言います。

「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を捜し当てた。その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。聞いたものは皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。
しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。
羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。(ルカ 2・15b〜20)

 このクリスマスの時こそ、マリアさまとヨセフさま、そして羊飼いたちから学びたいと思います。またその信仰の恵みに照らされて、クリスマスの喜びを見出すことができますように祈りたいと思います。
 馬小屋が語ってくれる出来事からクリスマスの喜びが生まれました。

 まことに、主のご降誕のお喜びを申し上げます。クリスマスおめでとうございます!

 また来週!

カトリック百合ヶ丘教会主任司祭 マリオ・ビアンキン

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* 典礼用に、日本の司教団は「新共同訳」の聖書を使うように定めています。
ここに載せる聖書は、「新共同訳」の聖書です。