わたしたちは目で見える教会ですが、それはイエズスさまも目で見える姿でわたしたちと共におられるからです。イエズスさまがわたしたちと共に居られるからこそ、わたしたちもイエズスさまと共に居ることができます。
　あの典礼の言葉「主は皆さんと共に」という言葉は教会のいのちを宣言する言葉で、わたしたちがキリストの救いに与かることを宣言する言葉です。そのためにミサの奉献文でわたしたちは次の言葉で祈ります。

キリストの御からだと御血に ともにあずかるわたしたちが、
聖霊によって一つに結ばれますように。
それから、次の言葉で細かく延べて続きます。まず、
世界に広がるあなたの教会を思い起こし、わたしたちの教父フランシスコ、
わたしたちの司教ラファエロ梅村昌弘、すべての教役者をはじめ、
全教会を愛の完成に導いてください。

　つまり、今もご聖体のしるしの中でイエズスさまが見えるかたちで居られるのと同じように、教会も見える姿で在ります。けれども“見えない教会”もあります。そのために奉献文は次の言葉で続きます。

また、復活の希望をもって 眠りについたわたしたちの兄弟とすべての死者を心に留め、
あなたの光の中に受け入れてください。
最後に、今ミサをささげている教会の集いのために祈りにます。
なお、わたしたちをあわれみ、神の母おとめマリアと使徒をはじめ、
すべての時代の聖人とともに 永遠のいのちにあずからせてください。
御子イエズス・キリストを通して あなたをほめたたえることができますように。

　つまり、見える教会も見えない教会もありますね。今日わたしたちは、この地上にある見える教会が“一つ”であることをテーマにして話したいと思います。この“一つ”は、わたしたちに馴染みのある使徒信条に表現されています。「聖霊を信じ、聖なる普遍の教会、聖徒の交わり」とあります。
　これをより細かく表現しているのがニケア・コンスタンチノープル信条です。
「わたしは聖なる、普遍の、使徒的、唯一の教会を信じます」と。
　普遍という言葉は、日本語で“カトリック”と表現されています。そうすると「カトリック百合ヶ丘教会」という言葉で、何を言おうとしているでしょう？　この場所とこの時に集まるわたしたちは「一つである教会」を表す ということを表現しているのです。

　もう少しこのことを深めましょう。実は、イエズスさまに出会いイエズスさまを信じるところに救いがありますが、わたしたちの信仰の“しるし”を通してでなければ「見える教会」となりませんね。そのしるしとなるものは、洗礼の秘跡です。つまり信仰は身体を通して表しますね。
　例えば、イエズスさまの生涯のあいだ人々皆が「救い主」としてイエズスさまを見ていたわけではなく、弟子たちだけが信仰の恵みにより大工の子に「救い主の姿」を見出すことができました。教会は、今も どこでも「しるし」として“在る”のです。また「しるし」としてわたしたちと共に居られるイエズスさまによって、教会はその救いに与かるものとなっています。
　使徒パウロが残された言葉を思い起こしましょう。

わたしたちが裂くパンは、キリストの体にあずかることではないか。
パンは一つだから、わたしたちは大勢でも一つの体です。
皆が一つのパンを分けて食べるからです。
（Ⅰコリント10・16～17）

　身体と同じように見えるものでなければ、教会はイエズスさまを表すことはできませんね。けれどもその身体を「しるし」として見る信仰の目がなければ、イエズスさまに出会うことはできません。わたしたちカトリック百合ヶ丘教会もその「しるし」として在るのです。使徒の信仰のもとでイエズスさまがその教会を建てられました。イエズスさまがいつもわたしたちをその体にすることによって、教会にしてくださいます。この理由で、小教区の教会だけにご聖体が置かれているのです。ご聖体はイエズスさまの「現実の現存」の“しるし”であり、それによってわたしたちもその体となっています。

　皆さまご存じの祈りですが、新しい建設のための百合ヶ丘教会の「建設のための祈り」の一部をここに載せさせていただきます。

主よ、この聖堂であなたの聖体の秘跡を仰ぎ見るわたしたちは　あなたを賛美します。
聖ひつの前で祝福されたわたしたちは　 あなたを賛美します。
聖体を受け一つにされたわたしたちは　あなたを賛美します。
主よ、ここで洗礼によってあなたの子となったわたしたちは　あなたを賛美します。
あなたによって結ばれ、あなたから預かるいのちを養い育てるわたしたちは　あなたを賛美します。
あなたにゆるされ、互いにゆるすことのできるわたしたちは　あなたを賛美します。
主よ、み言葉に照らされて人生を歩むわたしたちは　あなたに感謝します。
ここに集い 心を一つにするわたしたちは　あなたに感謝します。
常にあなたへの道を示し、あなたのいのちを育む牧者が与えられたわたしたちは　あなたに感謝します。
主イエズスのみ名によって　アーメン。

来週は都合によりお休みになります。ではまた！