[主任司祭メッセージ]
No.124 (2/26)主と共にこの地上の旅を
2023年02月26日
「主は、みなさんとともに。」
これはキリストを信じるわたしたちの挨拶の言葉ですが、この挨拶はわたしたちの信仰の核で、そこにわたしたちの信仰の心があります。つまり、わたしたちが神さまと共に居ることができるように、神さまが人となられたからです。その方はイエズス様ですね。イエズス様が「主」です。
実はこのことばで天使ガブリエルはマリアさまへのお告げの言葉を告げ、わたしたちが「アヴェ・マリア」を唱えると、いつも思い出すことばです。「アヴェ・マリア、恵みに満ちた方、主はあなたと共におられます」と。主イエズス・キリストのおかげで、人間も神となります。これこそわたしたちの信仰です。つまり、イエズスさまのもとで わたしたちは神さまと共にこの地上の旅をたどるのです。
イエズス様はわたしたちと共に歩まれ、わたしたちを一つに集めてくださり、兄弟姉妹にしてくださいます。わたしたち一人一人を「新しい人」にしてくださることによって、わたしたちは「新しい民」となり、新しい社会が生まれます。この社会は教会です。つまり、イエズス様とともに「新しい世界」も生まれます。
教会はイエズス様に出会うためにありますが、世界中あらゆるところに教会は存在します。世界中における教会は、たくさんの教区として存在します。教区の中に小教区はあります。そこにイエズス様はおられ、わたしたちを集めご自分の体にしてくださいます。またその集めてくださるところ、その建物もこの理由で教会と呼ばれています。
実はわたしたち百合ヶ丘教会は、50年の歩みをお祝いし、今新しい建物を建てようとしていますが、地方における教会として存在することを新たに味わうときでもあります。皆さんにとってこの時を恵みのときとして迎え入れていただけたらなぁと思っています。
教会の建物は、わたしたちと共に居られるイエズス様と「出会う」ところです。その出会いによってわたしたちはイエズス様と一つになり、そのいのちに成長する場所でもあります。「わたしたちの日毎の糧を 今日もお与えください」という「主の祈り」の言葉は、それを思い出させてくださいます。
つまり、わたしたちは「生きたキリストの体」として つまり教会として成長する必要があり、それは、わたしたちが互いにどんなに貴重な存在であるかがわかり、社会の中で新しいいのちを証しするためです。
福音書からのお言葉を思い出します。
「天の国はパン種に似ている。女がこれを取って、三サトンの粉に混ぜると、
やがて全体が膨れる。」
(マタイ・13・33)
つまりわたしたちはイエズス様とともにこの世のパン種ですね。ほかの箇所にもイエズス様はわたしたちが食べ物に味をつける「地の塩」だと言われ、またわたしたちは世界の「光」であり、それはイエズス様ご自身が光で在られるからです(参照マタイ5・13,16)。
イエスは再び言われた。
「わたしは世の光である。わたしに従うものは暗闇の中を歩かず、
命の光を持つ。」
(ヨハネ8・12)
さらに、わたしたちはイエズス様と共に一つになることによってイエズス様と一緒に「神のことば」ともなる、つまり神さまを告げ知らせ、証しする者になります。
言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。
それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。
(ヨハネ1・14、 参照1・1、18)
イエズス様が遺されたお言葉を思い出しましょう。
父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。
わたしの愛にとどまりなさい。
(ヨハネ15・9)
ここにはイエズス様がわたしたちと共におられる理由がよく表現されています。わたしたちと共におられるイエズス様のおかげで、わたしたちも神さまと共に居ることができるからです。そのために教会の建物もあります。それは、わたしたちがイエズス様と共に居ることによって力づけられ成長し、主と共に「永遠の命」に導く地上の旅を全うするためです。
四旬節の旅路をこのこころをもって歩みたいと思います。