主任司祭 鈴木 真 神父 主日の説教

 もくじ   


 年間第8主日A年(2017.2.26)

[マタイ6:24〜34]






 「ごらんよ空の鳥」の箇所です。ここは好きでもあり嫌いでもある箇所‥「何を飲もうか、何を食べようかと思い悩むな」‥いやしかし、それを考えている時が一番幸せなんですがね。まぁ飲む物は決まってるんですが。例えば居酒屋でメニューを眺めてる時のワクワク感。それをダメって言われたら‥ブツブツ‥って感じです。

他方で、色々なことを考えさせられる箇所でもあります。「あなたがたは鳥よりも価値あるものではないか」‥ホントかなぁ?とよく思います。ものの本で読んだのですが、地球では今まで五回の大絶滅の時期があったんだそうです。大昔ですが。第一 は4億4400万年前、第二は3億7400万年前、第三は2億5000万年前、第四は2億年前、第五は6500万年前、この第五が恐竜絶滅です。いずれも惑星や隕石などが地球に衝突し、環境が激しく変化したために全生物の70~90%が絶滅したそうです。しかしある科学者によると、哺乳類の時代の幕開けと共に、現在は第六の絶滅が迫っているとの指摘があります。現実に、実は1時間ごとに3~4の種(植物も含めて)が絶滅、年間だとなんと3万種が絶滅しているそうです。なので北欧に種の保存のための施設が造られたりしてるわけですが、これもある科学者によれば、今までの絶滅期と違って、これはすべて人間が原因である‥と。そんなわたしたちは、果たして鳥よりも優れたものなのか‥と思ってしまいます。

また他方で「栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった」‥ここは大好きです。所詮人間のすることは小さなことで、神さまのわざはそれを大きく超えている‥人間はそれを模倣しているにすぎません。

いずれにしても、わたしたちは神の恵みの中で生きている、生かされている。食べるものも、着るものもすべて神から与えられたもの、そこを離れてしまったら、間違った方向に行ってしまうということでしょう。

昨年はわたしが結婚式をしたカップルが次々に出産して、とても嬉しく思いました。信仰のあるなしにかかわらず「授かりもの」というのも、いい言葉だと思いますね。身の回りの一つひとつのことの中に、そして人生の大きなことの中に、わたしたちが神さまによって「生かされている」ことのしるしが示されている。そんな「しるし」に、日々気づいていたいと思います。

                                    鈴木 真

                               


マタイ(6:24〜34)

(そのとき、イエスは弟子たちに言われた。)「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。  

 だから、言っておく。自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」


「ゆりがおか」トップページへ戻る