病気のときの祈り





13. 希望を求めて

ああ 神さま

なにも起こりそうもないのに

希望を持ち続けるのは、たいへんむずかしいことです。

そしてもっとむずかしいのは

あまり前進せず後退ばかりしている場合です。

どうか、なにものも消すことができない望みの灯を

保てるようにしてください。

漆黒の暗夜にさえ、朝のくるのを疑った人はおりません。

厳寒の冬にさえ春が遠くないことを人は疑いません。

あなたが、わたしを治療してくださる方に

技術の賜物を与えておられること

そしてわたしのこの身体に

力を備えてくださっていることを

覚えさせてください。

あなたにとって、またあなたが共にいてくだされば

不可能なことはなにひとつありません。

わたしがいつも忘れずにいるひとつの望み

それは、この世で終わってしまうものではなく

永遠に続く希望です。

詩編の詩人の告白を聞きましょう。

なぜうなだれるのか、わたしの魂よ

なぜ呻くのか。

神を待ち望め。

わたしはなお、告白しよう

「御顔こそ、わたしの救い」と。

わたしの神よ。(詩編43・5)

もし、どの道を行くときにも神に導き委ね

神に希望を託すなら

神は何事が起ころうと、力を与え

わざわいの日にも、担ってくださる。

神の変わらぬ愛に信頼を置く者は

なにものも揺るがすことのできぬ岩を土台とする。


                        

『慰めの祈り―病むときに―』ウイリアム・バークレー著

小塩トシ子訳 日本キリスト教団出版局

     




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